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緊急避妊法 アフターピルについて(2)
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以前に、緊急避妊(1)というのを書きましたが、
今回はその続きです。
緊急避妊法はアフターピル、又はモーニングアフターピルとも言います。
まず、何人かの患者さんから尋ねられた事なのですが、
月経周期のいつに赤ちゃんができやすいか?又はできないか?
ということがあります。
これは間違いなく言えることとして、排卵日付近はできやすい。
では、排卵日っていつなの?ということになるのですが、
これが一人ひとり微妙に違うのですよ。
たとえば月経周期が28日型で黄体期が14日間ちょうどの人であれば、
周期の15日目が排卵日となりますし、
周期が30日型で黄体期が10日間の人であれば21日目が排卵日です。
つまり、何日型かということと、通常の黄体期の長さ、両方によって
排卵日が推定されるわけです。
平均値というか、正常値は、確かに周期15日目に排卵ということでいいと思いますが、
女性の体は本当に繊細にできていて、ちょっとしたことでずれが生じてしまいます。
さらにややこしいことに、排卵日前というのは、
その月に排卵される予定の卵胞が大きくなっていきます(直径2cm位に育つと排卵します)が、
それが十分に大きくなる前であっても、精液の中に含まれるPG(プロスタグランディン)が
卵巣表面に触れれば、容易に排卵を誘発してしまいます。
またそれに加え、性行為自体の機械的な刺激によっても未成熟な卵胞は
排卵しやすくなります。
例えが適切でないかもしれませんが、レイプによって膣内射精が行われた時の
(望まない)妊娠率が高くなってしまうのもこのような理由によるためで、
事件がらみの避妊の失敗例には、まずは緊急避妊を、という鉄則もあるほどです。
このように見た上で、完璧に赤ちゃんができない時期をあげるとすれば、
それは排卵が行われ、卵胞から卵子が排出された後、
その卵子が完全に受精能力を失った時である、ということができます。
それはおそらく排卵周期であれば、月経前の7日間位にあたるのでしょうが(オギノ式)、
基礎体温をつけたり、要所要所で医師の超音波検査を受けたりして
その月の月経がいつ来るか?いつが排卵日か?
ということが完璧に予想できるような体制でいる女性はむしろ妊娠を望んでいる場合が多く、
緊急避妊は必要でないことがほとんどです。
なので、とりあえず妊娠を望んでない女性の方は、
避妊なしの性交が月経周期の何日目であっても、自分だけで判断せずに
産婦人科を受診し、緊急避妊の適応の有無を判断してもらってください。
よろしくお願いいたします。