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認知症の見分け方
最近、ごく頻繁に、患者さんから「私は認知症ではありませんか?」と尋ねられます。
もちろん、何年も前からお会いしている方で、状態もよくわかっているので、
「全然そんな症状は見受けられませんよ。」とお答えするのですが、
どうも信じてもらえないことが多いようです。
そこで、今回みなさんにお伝えしたいのが、
スペインの大学病院で行われた認知症判定調査に用いられた方法です。
これは被検者にたった2つの質問をするだけのものです。
1.あなたは何歳ですか?
2.あなたの誕生日は何年何月何日ですか?
こんなことで認知症の判定ができるものか!とお叱りを受けそうですが、
実はそんなこともないのです。
最終的に、この調査で得られた結果と患者さんの実情を照らし合わせると、
この検査は、感度61.2%、特異度97.8%の検査であったそうです。
つまり、この質問にうまく答えられなかった人が認知症であった確率が61.2%、
うまく答えられた人が認知症でなかった確率が97.8%ということです。
「認知症である」という診断をつけるには、61.2%はちょっと心細いですが、
「認知症じゃありません」という根拠に、この97.8%は十分使えるということです。
とても簡単でかつ短時間において、認知症の疑いを否定できるわけです。
これはとても有用な方法ですので、みなさんもぜひお試しください。