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糖尿病治療の新目標値
5月16日に初日を迎えた第56回日本糖尿病学会年次学術集会(熊本市)において
「新たなHbA1c目標値についての特別声明」と題するセッションが組まれ、
同学会が既に公式サイトで発表しているHbA1cの新目標値についての
発表・解説が行われました。
この2013年6月1日から運用開始される新コントロール目標は,以下のようになります。
また,HbA1cはいずれもNGSP(国際標準)値です。
ちなみにいままでつかっていたJDS(日本糖尿病学会)値は併記されません。
完全にこちらの数値を使いなさい、ということなのでしょう。
(1)血糖値正常化を目指す際の目標 HbA1c 6.0未満
(2)合併症予防の為の目標 HbA1c 7.0未満
(3)治療強化が困難な際の目標 HbA1c 8.0未満
(1)は適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合,または薬物療法中でも低血糖などの副作用なく達成可能な場合の目標値。
(2)については対応する血糖値として,空腹時血糖値130mg/dL,食後2時間血糖値180mg/dLがおおよその目安。
(3)は低血糖などにより治療の強化が難しい場合の目標。
JDS値を使わない代わりに、NGSP値をきりのいいところで3段階に区切り、治療目標としたところが
これを日本の医療機関のすべてに浸透させようという意気込みが感じられます。
さらに今回の発表は「熊本宣言2013」として、
合併症予防のために糖尿病発症早期からの良好な血糖管理の必要性を訴え、
キーメッセージを「あなたとあなたの大切な人のために Keep your A1c below 7%」としています。
ということで、これから当院でもこの新目標に基づいた治療を行って行きます。
現在糖尿病治療をしている患者さん、ぜひ覚えておいてください。