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2009年12月22日、
我が国では初となる、ヒトパピローマウイルス(HPV)予防ワクチンがリリースされました。

このワクチン、名称はサーバリックスといって、被接種者に
HPVの16型と18型の免疫を能動的につけさせるものです。

現在の医学的知見において、このHPV16およびHPV18は、高リスク型HPVに分類され、
子宮膣部に長期持続感染すると、子宮頸がんのプロモーターとして働くとされます。
また、低リスク型HPV(HPV6・HPV11等)は陰部にイボ(コンジローマ)を発症させます。

最近、子宮頸がん発症の若年化ということがよく問題にされますが、
これは、すなわち、初交年齢が若年化していることを意味します。

当たり前の話ですが、HPVはコンドームを使用しない性行為によって感染し、
近年、15歳から19歳の日本人女性の32%が高リスク型HPVに感染している
といった統計さえあるほどです。

ただし、これらに感染したとしても、それは通常一時的なものに過ぎず、
大多数の方が、数か月後には、ウイルスの自然消滅という現象を体験します。
または、感染していたという事実さえ知らずに、ウイルスが陰転化してしまう人もいます。

これは、人体のHPVに対する免疫獲得のなせる技なのですが、
なかには、そういったメカニズムがうまく働かない方が存在します。
つまり、高リスク型HPVがなかなかいなくなってくれないので、
子宮の入口付近のウイルスの棲家が、子宮頸がんに進行する確率の上昇をみます。

実際こういうメカニズムで、子宮頸がんは発症していきますが、
それを食い止めるためには、感染してきたウイルスを確実にやっつけるか、
最初からHPV抗体を持って高リスク型HPVの感染を完全に防いでしまうしかありません。

今回のサーバリックスは、ワクチンを用いた、まさに後者の方法です。
これにより我々人類は、その歴史上はじめてがんの予防が可能になったのです。

最後に、本ワクチンの特徴を簡単に述べます。

・HPV16型と18型のみに抗体を獲得できる。(2価のワクチン)
・HPV16・18由来の子宮頸がんを92.3から100%予防できる。(他型由来がんには効かない。)
・アジュバンド添加により、自然感染の11倍の抗体価が得られる。
・10歳以上の女性が対象。
・全部で3回の接種(初回・1か月後・6か月後)が必要。
・費用は1回 15000から16000円程度。若年者には公費制度あり。
・低リスク型HPV疾患であるコンジローマには効かない。
⇒これに効くのはガーダシル(4価のワクチン)です。
・子宮頸がんワクチンを接種後、体にさまざまな痛みなどが現れる複合性局所疼痛症候群(CRPS)と報告された症例がある。

このワクチンに対して、実際に打ってみたいとか、ぜひ聞きたいことがあると言う方は、
当クリニックまでご連絡ください。

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